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『beyerdynamic DT880PRO』感想文。 [ヘッドホン]

ちょっとした事件(笑)もあった我がDT880PROですが、結局そのまま手元に置いて
おくことに決めました。
その後100時間ほどのエージングを経たので、そろそろ感想文でも。
・・・少しでもDT880PROの良さが伝わるようなものになるといいなあ。

たまには違うアングルで。

■外観
 DT770PRO/990PROが黒一色のハウジングであるのに対し、880PROはシルバー。
 それもあってか、「無骨」というような印象はありません。
 とはいえ、まんまるで銀一色のハウジングと実用本位のヘッドバンドは
 他のベイヤー機と同じく、デザイン的にはかなり地味。
 メッシュ仕様のハウジングは一見開放型のようですが、実際は半密閉型。
 同じDT880でもEdition2005とは意匠上、「耳」の有無が大きな違いですが、
 これはない方がいいでしょ、というのが個人的な意見。
 なんにせよ、DT770や990のPRO/E2005のような大幅な違いはありません。
 (アレはデザイン的には完全に別物だし)

 それにしても、やっぱり地味だなあ。

■音
 フラットに近いですがそこはベイヤー、きっちり高音・低音にクセを残してます。
 全体的に落ち着いた印象の鳴りに、ハイハットやベースなどの音が映えます。
 ただし、990系のようなキツさまでは感じさせず。
 手持ちのDT990PROと比較した場合、次のような違いを感じました。

 ・わずかに880PROに篭り感を感じる
 ・高音に関しては880PROの方がヌケが良く、990PROではシャリつき感あり
 ・低音の量は990PROの方が圧倒的だが、880PROも芯のある低音を聴かせる

 面白いなあ、と思ったのは高音の違いです。
 990PROの方がキツいかと予想していましたが、実際比較してみると金属的な
 鳴り方に関しては880PROの方が強く、いわゆるキンキンな音。
 でも、高音の雑味というかシャリシャリ感は990PROの方が多い。
 どちらにしても、なかなか特徴的です。

 解像感は分析的な高さはないものの、充分なレベルを持っていると思います。
 篭りをほんのわずかながら感じるのは、「半」とはいえ密閉型であるためなのか。
 高音に金属的なものを出しつつ、低音もビシっと決まるので、サックスなんかは
 かなり堂々とした鳴りっぷりを聴かせてくれます。
 ヴォーカル再生も結構生々しく感じられます。特に女性シンガー向けかも。
 これで聴くノラ・ジョーンズなんてかなり好きですハイ。

 ちなみに、DT880は「ゼンハイザーHD650っぽい」音であると言われています。
 ヲレ自身も以前、無印DT880を聴いた時にはそう感じたので購入を見送ったり
 したものですが、今回PROの登場で改めて聴いてみると、以下のような違いを
 感じたので購入に至りました。

 ・HD650が霞がかったような音であるのに対し、DT880PROはわずかに明瞭感あり
 ・低域に関して、HD650は重く広がる感じで、DT880PROは深みと芯のある感じ
 ・音場はHD650が前方に広いが、DT880PROは広さでは譲るが後方まで回り込む
 ・ヴォーカル位置はHD650では少し下に下がるが、DT880PROはちょうど鼻のあたり
  (これはソースによって大きく左右されるようですが)

 これらに関して、HD650とDT880PRO、両方を持っておくほどの違いなのか?
 という疑問もあるかと思います。
 それに対するヲレの回答。
 「面白いと思えたら、それでいいんじゃない?」
 HD650はかなり好きなヘッドホンです。でも、別に万能であるとは思っていません。
 緩めの低音が邪魔だなあ、と思うことだってあります。
 そういった時に、全体的には似ているけど気になる部分が解消される、そんな別の
 ヘッドホンがあれば面白いんじゃないかなあ、というのが基本スタンスなので。
 (イコライザで音をいじる、という考えはヲレにはないのです)

■使い勝手
 とにかく音量が取れない!
 DT990PROの時もかなり取り辛さがありましたが、880PROはそれ以上。
 ウチのリファレンスヘッドホンアンプであるレーマンBCL(ゲイン0dB設定)では
 ボリュームを3時方向にしても不足を感じたため、結局ゲイン10dBで使用することと
 なりました(それでも1時方向での使用です)。
 やろうとする人もいないでしょうが、ポータブル機単体で使うのは不可能かと。

 装着感はDT770PRO/990PROと同等。
 布地のイヤパッドは密閉性に欠けるものの、べたつきや硬さもなく快適。
 ヘッドバンドも簡素ながら適度なクッションが効いていて、幅が広めなこともあり
 着けていて痛くありません。
 側圧は少々強め。ただ、耳に当たる部分がないので長時間の装着も問題なし。
 片出しコードについてはオーディオ的見地から賛否両論あるところですが、まあ
 個人的には取り回しが楽でいいじゃん、くらいにしか思っていません。
 なお、半密閉とはいえ音漏れは盛大です。

 一部では「DT880PROの真髄」とも噂される(笑)、付属ソフトケースについて。

 表地の素材はビニールレザー。真っ黒で、真ん中ちょい上にベイヤーロゴ入り。
 ジッパーでぐるりと囲むように開け閉めします。金具は両端にあり。
 旅行なんかで使うキャリングケースの柔らかいやつ、といった感じ。
 中にはスポンジが詰められていて、DT880PROに限らずヘッドホンを持ち歩くには
 最適かと思われます。
 天板部にはキャリング用にベルトもついてます。
 ただ、開口部のクッションはかなり薄く、真正面からの衝撃には注意が必要です。
 ヘッドホンをこの中に閉じ込めてエージング、という使い方ができますが、
 防音効果についてはあまり期待しない方が良いかと・・・。
 ヲレは今回、エージングはケースに入れた上から、フリースのブランケットで
 ぐるぐる巻きにするという、いつもの防音対策を採りました。
 密閉型のヘッドホンでなら音漏れ具合も多少変わるかも知れません。
 HD650、edition7/9と専用ケースの付属するヘッドホンは珍しくありませんが、
 こうした汎用性のあるケースが付くヘッドホン、というとあまりないのでは。
 個人的にはゼンハイザーHD595付属のホルダーと並んで、単品販売して欲しい
 アイテムの1つです。

 余談になりますが、こういうヘッドホン用のアクセサリーってなかなかないのが
 現状ですね。あってもなぜか高額。
 ホルダー然り、スタンド然り、保護ケース然り・・・。
 仕方がないので我々はS字フックやバナナスタンドを求めて100円ショップへと
 向かうわけです。
 どこかのショップでこういうのをオリジナル商品として出してはくれないものか。
 ヘッドホンをそこそこ捌けているような店なら、需要もあると思うんだけど。
 ホルダー類なら500円くらい、ケースなら3000円くらいでなんとかならないかなあ。

■総評
 派手な曲にはあまり向きませんが、落ち着いた曲を聴き込むには最適な1本。
 高音・低音共に程よく主張する感じで、決してキツくなるわけでもないので
 歌モノでもヴォーカルに集中して聞くことができます。
 ただ、それが「折角ベイヤー買うのに、ベイヤーらしさが薄いなんて」という
 敬遠要素のひとつになっているのかな、という感もあり。
 (まあヲレもそれが原因で無印880を見送っているので、言えた義理はないけど)

 あ、「HD650の音は好きなんだけど、あの低音がなあ」と思っているような方には
 是非一度試聴していただきたい。

 逆に、ゲイン0dB固定のヘッドホンアンプしかない、という方は避けておいた方が
 無難かと思います。
 ホントに音量取れないので。
 今回、初めてBCLにゲイン調整機能があって良かったと実感しました。

 ついでに。
 これはもう言いがかりのレベルですが。
 DT770/880/990の「ベイヤー3姉妹」(勝手に命名。姉妹なのはヲレの趣味です)で
 型番的には真ん中でありながら価格では一番高い、というのも手が出し辛い原因の
 ひとつだったりするかも知れません。
 型番が大きくなる=グレードが上がる、というのが一般的な感覚だと思いますが、
 ことベイヤー3姉妹に関しては単にラインナップの違いでしかないのですね。
 現時点でのDT880PROの実勢価格は31800円。
 これ、もう少し下がって2万円台に納まるとまた評価が変わってきたりするかなあ、
 という気もします。

以上、あくまでヲレはこう思ったよ、程度の話です。悪しからず。


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コメント 8

たぬき

先日は本当にありがとうございました。

なのですが・・・。
あららら・・・。
なんかタイミングがアレですね(苦笑)。
先日DT880の話があがっていたのでこちらも書いていたりしたのですが・・・。
うーん・・・。

確かに値段の要素は大きいかもしれませんね。
そのためか、2005系だと990が一番高い値段がついているのでしょうか?
正直、どれもドライバは同じじゃないかなぁ、と思っていたりするのですが。
by たぬき (2007-05-06 01:39) 

HIRO

三姉妹キタ━━━━━━\(゚∀゚)/━━━━━━ !!!!!
自分は三女がいいです。ハイw (ヘドホンなら次女が(*´д`*)ハァハァ)

米屋のデザインは地味ながらもカッコイイです。燃えて萌えます。

ヘドホン用のアクセサリーはホント無いですよね。なんかカッコイイの作りたい気はしますがちょっと面倒ですね(^^;
by HIRO (2007-05-06 20:15) 

たぬき

ついでに勝手ながらTBさせて頂きました。
不要であれば削除下さいませ。
by たぬき (2007-05-07 00:00) 

しゃけ

>>たぬきさん
おおっ、こりゃまたナイスタイミングで同一ヘッドホンレビュー!
結構キーワード的に共通点があったり、逆に異なる印象を受けていたりと
ヲレは面白いと思うんですけどどうでしょうか?
・・・って書いてる本人がいうことじゃないか(^^;)。
(ちなみにヲレとたぬきさんの間で打ち合わせなどはありません(w)

あ、もちろんこちらからもトラバお願いしますね~。

>>HIROさん
長女も忘れないで下さい・・・ってヲレも持ってないんですが(;_;)。
(このネタ捨てるのももったいないなあ)

スタンドにはヲレも使ってますが、スチロールのダミーヘッドが置き場所さえ
あるなら結構いいと思います。なんせアタマだし。
東急ハンズで1000円くらいとちょっと高めですが、なんとなくインテリアっぽく
見えたりして違和感も・・・あるか。
by しゃけ (2007-05-07 01:38) 

Chris

某所で視聴させていただいたときに
音量が取れないのはびっくりでしたねぇw
美人(?)三姉妹はいずれ欲しいです(´・ω・`)
by Chris (2007-05-08 10:04) 

しゃけ

>>Chrisさん
あれ、770PROは決定では?(w

できればBCLは0dBで使いたかったんですが、流石に3時方向でも
欲しい音量が取れなかったので諦めました。
他のHPAではどうなるのかちょっと心配ですね。

3姉妹はとても仲が良いので、ぜひ全員一緒にしてあげて下さい。
by しゃけ (2007-05-08 18:15) 

そんなとこかなあ

いま私もDT880(エディション2005)をてに入れたのですが、手放そうかどうしようか、考えあぐねています。ややしゃりついた、よくいえば渋い音がどうかというところです。そういえばこの機器はエージングにとって変身するものでしょうか?
by そんなとこかなあ (2008-01-30 01:46) 

しゃけ

>>そんなとこかなあさん
こんにちは。
えーと、Edition2005とPROが同じ音である、という前提で話を進めますね。
(試聴した限りではそう感じています)
そうですね、渋さがあるというとよく聞こえますが、地味とか面白みがないとか
ベイヤーらしくないとかいうとキリがない・・・そんな機種かも知れません(^^;)。
特にゼンハイザー系のヘッドホンを既にお持ちなら、なおのことそう感じるかも。
でもですね、そんな時には「880にはこんな曲が合うかな?」というような
逆のアプローチを取ってみると面白いのではないでしょうか。
キャラの強烈なヘッドホンもいいですが、ふと880のような味も懐かしくなる
時があったりしますよ。きっと。

エージングですが、それほど劇的な変化(例えばゾネのような)をする
機種ではないと思います。ですので恐らくは今の印象は変わらないかと。
それと、ベイヤーはアンプによる鳴り方の差が激しい機種ですね。
店頭で試した限りですが、非力なアンプではしっかり鳴ってくれないので。
お使いのアンプがわかりませんが、その辺りの相性も考慮されてみては
いかがでしょうか。

うーん、あまり参考にならないでしょうが、そんな風に思います。
by しゃけ (2008-01-31 00:18) 

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